一般内科とは
病気は身体のさまざまな部位に発症します。一般内科では、病気の発症部位や症状の程度にかかわらず、内科全般を幅広く診療いたします。
感冒
感冒とは
一般的には風邪と呼ばれるもので、上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)に炎症が起きている状態を言います。
炎症の原因の大半はウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど)で、これが鼻や喉の粘膜などへ感染することで上気道に炎症が生じます。感染してから1~3日程度経過してから症状がみられるようになります。
よくみられる症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、喉の痛み、咳といったもので、発熱や頭痛が現れることもあります。
治療について
世間一般では「感冒は抗菌薬・抗生剤を飲むと治る」といわれますが、原因のほとんどはウイルスですので効果がありません。安静にしていれば自然と治癒します。なお発熱や喉の痛みなどの症状を抑えるために、対症療法として解熱鎮痛剤や鎮咳薬などの薬物療法を行うことがあります。
喀痰
喀痰とは
一般的には「痰」と呼ばれます。主に気道の粘膜より分泌され、性状としては無色透明であり、臭いはなく、多少粘りっぽさがあります。喀痰は喉、気管、気管支などの気道に入り込んだ異物(ほこりやウイルス、細菌等の病原体など)を体外へ排出するために作られる粘液です。ほこりや病原体は痰と一緒になって口から出ますが、その場合は咳(咳嗽)も伴うことが多いです。
どのような病気で出る?
痰は風邪や気管支炎など、一時的な病気によって出ることがあります。ただし、長期間にわたって痰が出続けている、粘稠度が非常に高い、痰に血が混じっている(血痰)、黄色や緑色の痰が出ている、痰から変な臭いがしている、などの症状があれば、継続的な治療が必要な病気の可能性もあります(気管支喘息等のアレルギー疾患、肺炎、肺水腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、副鼻腔炎など)。このような場合は、一度当院をご受診ください。
咳嗽
咳嗽とは
一般的には「咳」と呼ばれています。気道(喉、気管、気管支など)に異物(ほこり、ウイルスや細菌などの病原体など)が入り込み、それによって気道の粘膜に炎症が起きます。その際に異物を体外へ出そうとする防御反応が見られるようになりますが、その反応のことを咳嗽といいます。気道の炎症が原因ですので、咳と痰が同時にみられることも多いです(湿性咳嗽)。
多くの場合は感冒(風邪)によって引き起こされますが、インフルエンザや新型コロナ感染症など、感染力が強かったり重症化しやすかったりする感染症でも起こります。また肺炎、肺水腫、気管支拡張症、副鼻腔炎などの病気でもみられます。
痰を伴わない乾いた咳(乾性咳嗽)が出ることもあります。このような場合は気管支喘息・咳喘息、間質性肺炎、肺切核、気胸、喫煙の影響、ストレス(心因性咳嗽)などが考えられます。
このような咳には注意
3週間以上咳が長引く、夜中や朝方に咳が出続ける、咳をすると胸が痛いなどがあります。また咳だけでなく、ゼイゼイ・ヒューヒューといった音が聞こえる、咳と一緒に血の混じった痰(血痰)や色味の濃い痰が出ている、喫煙者で咳や痰が止まらない場合も病気のサインです。一度当院をご受診ください。
胸やけ
胸やけとは
みぞおちや胸部において、焼けつくような不快感を自覚したり、熱っぽさを感じたりするのが胸やけです。それ以外にも「酸っぱい物が込み上げる」、「胃酸が喉元まで上がっている感じ」などと表現されることもあります。
胸やけは食生活の乱れ(暴飲暴食や就寝直前の飲食など)や日頃のストレスによって引き起こされることもありますが、同様の症状を繰り返すようであれば、胃食道逆流症(胃酸が食道に逆流する状態)が疑われます。
胃と食道の間には下部食道括約筋があり、これが締まることで胃酸が食道へ逆流しないようにできています。この筋肉が何らかの原因(日頃の生活習慣:過度な飲酒、高脂肪食の過剰摂取、喫煙など)で緩んでしまうと、胃酸が食道に逆流してしまいます。このほかにも食道裂孔ヘルニア(胃が食道側へ入り込んでしまう)、薬剤の影響で発症することもありますが、原因がわからないこともあります。
胃酸や胃酸を含んだ内容物が食道へ逆流すると、食道の粘膜が酸で傷ついてしまうため炎症やただれが生じます。これにより胸やけ、胸痛などがみられます。また喉まで酸が到達すると、口の中が酸っぱく感じる(呑酸)、飲み込みにくさを感じる、声がかすれる、痰のない咳(乾性咳嗽)などがみられることもあります。
治療について
炎症やただれの治療として、胃酸分泌を抑制させる薬(プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカーなど)や胃粘膜保護薬などを使用します。また生活習慣の見直しも大切で、肥満の方は減量や低脂肪食などを心がけます。お酒を飲む方は節酒を、喫煙される方は禁煙をしていただくのも大切です。カフェインや香辛料など刺激物の摂取を避ける、食後はすぐに横にならない(2時間以上を目安)ことも効果的です。
当院では予約制で胃カメラを実施しています。胸焼けの原因となる病気を調べるのに大変有用な検査です。症状にお困りの方は一度当院までご相談ください。
便通異常
便通異常とは
便が腸内から体外へ出ることを便通といいますが、それが正常でない状態なのが便通異常です。具体的には、下痢や便秘、これらが交互に繰り返される、便が細い、残便感がある、便が硬い、便に血が混じる(血便)などが挙げられます。
原因は多種多様
これらの症状が続く場合は、日頃の乱れた生活習慣(食物繊維や水分の不足、慢性的な運動不足など)やストレスの影響で起きることがあるほか、使用している薬剤(抗コリン薬、カルシウム拮抗薬、NSAIDsなど)の副作用によって引き起こされることもあります。
便通異常を引き起こす病気としては、急性胃腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、大腸ポリープ、大腸がんなどがあります。
原因を特定させるために、身体診察のほかに必要に応じて血液検査や便検査、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)なども行うこともあります。原因疾患が判明すれば、それに対する治療を行っていきます。なお当院では大腸カメラは行っておりませんので、必要な場合には近隣の医療機関へご紹介させていただきます。
喘息
喘息とは
気管支に慢性的な炎症が起こり、それによって気管支が過敏な状態になると、わずかな刺激でも収縮してしまうようになります。気管支が狭くなることで喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音)や咳、呼吸困難などの症状がみられるのが喘息です。夜中から朝方にかけて症状が出やすいのも特徴で、重症化すると呼吸不全に陥り、命に関わる状態になることもあるので注意が必要です。
発症の原因については、何らかのアレルゲン(ハウスダスト、ダニ、食物、花粉、ペットなど)が引き金となったアレルギー反応による気管支の炎症が多いですが、風邪などの呼吸器感染症、天気や気圧の変化、喫煙、薬剤の使用などが誘因となることもあります。
喘息の治療は二本立て
気管支喘息の治療は薬物治療と生活指導の二本立てです。
気管支の炎症を抑える治療(コントローラー)として、ステロイド薬の吸入をベースに、重症度に応じて長時間作用型気管支拡張薬の吸入も組み合わせます。現在は2つ、あるいは3つの薬剤を1剤に配合した吸入薬も使用されています。また抗アレルギー薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の内服も併用します。
喘息を引き起こす原因が判明しているのであれば、アレルゲンから遠ざけるよう環境を整えたり、喫煙者であれば禁煙したり、手洗い・うがいなどの感染症予防をしっかり行ったりします。
喘息の急性増悪(喘鳴、激しい咳、強い呼吸困難がある場合)が起きているときの治療(リリーバー)として、短時間作用型気管支拡張薬の吸入が用いられるほか、重症の場合はステロイド薬の内服や点滴が行われます。
また近年では、重症の喘息患者さんを対象に、生物学的製剤(バイオ製剤)を使用することも多くなりました。アレルギー発症の原因となる体内物質をブロックすることで、アレルギー反応自体を起こさないようにする新しい薬です。使用できる患者さんには一定の決まりがあり、費用もかかる治療ですが、これまで標準的な治療が効かずに困っていた方には救いの一手となっています。
喘息の急性増悪を繰り返すと、どんどん重症化していきますので、増悪を起こさないように日頃の治療をしっかり行うことが重要です。
当院では一般的な喘息治療を行っておりますが、生物学的製剤の治療導入については対応しておりません。高度な治療必要性がある患者さんについては、近隣の医療機関へご紹介させていただきます。まずは一度ご相談ください。
花粉症
花粉症とは
花粉がアレルゲンとなって、アレルギー症状(アレルギー性鼻炎、アレルギー結膜炎など)がみられる状態を花粉症といいます。
原因となる花粉は春先に飛散するスギやヒノキが有名ですが、初夏の時期に飛散するイネ科の植物(カモガヤ、オオアワガエリなど)、秋の時期に飛散するヨモギやブタクサなどが原因となる方もいるので、発症する時期はそれぞれの患者さんによって異なります。
よくみられる症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまりなどの鼻炎症状や、目のかゆみ・異物感、目の充血、目やになどの結膜炎症状です。それ以外にも喉のかゆみ、肌荒れ、痰のない咳といった症状が出ることもあるほか、鼻づまりによって睡眠不足に陥りしたり、集中力を欠いたりすることもあります。
治療について
抗アレルギー薬の内服と、局所の外用治療を組み合わせます。外用治療は、鼻炎の症状が強ければステロイド点鼻薬を、結膜炎の症状が強ければ抗アレルギー薬やステロイドの点眼薬を使用します。局所のステロイド治療は一般的に副作用が少ないものの、ステロイドの点眼薬では長期使用により副作用を生じやすいため、短期的な使用に留めます。
なお原因になる花粉が判明している場合は、花粉が飛散する時期の1~2週間前から抗アレルギー薬を使用し始める初期療法を行うこともあります。これによって、発症を遅らせたり、発症しても症状を軽くしたりできるようになります。
COPD
COPDとは
日本語で「慢性閉塞性肺疾患」といいます。これまで肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた疾患も含まれた概念です。
COPDは、有毒な化学物質(主に喫煙によるタバコの成分)を長年にわたって吸い込み続けることで、気管支や肺胞が損傷を受けて呼吸障害が引き起こされるとされています。発症しても時間をかけてゆっくり進行するので、初期は自覚症状が出にくいことがあります。病状が進行すると、階段昇降などの軽労作で息が切れる、咳や痰がしつこく出続ける、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音)、体重減少といった症状が出てきます。肺炎や肺がんなどの病気も併発しやすくなります。
診断と治療について
診断のためには、胸部X線撮影(レントゲン)や胸部CTなどの画像検査で肺の状態を調べるほか、呼吸機能検査(スパイロメトリー)で肺活量や気道狭窄の程度などを調べます。
なお一度ダメージを受けた気管支や肺胞は元通りになることはありませんので、病気の進行を防ぐのが治療の目的となります。したがって、喫煙者の方はまず禁煙をしていただくことが肝要です。
自覚症状の改善のために薬物療法も行われます。気管支拡張薬の吸入(抗コリン薬、β刺激薬)や、気道炎症を抑制するステロイド薬の吸入を使用するほか、リハビリテーションも欠かさないようにします。重症化している患者さんについては、ご自宅や外出先でも受けられる在宅酸素療法(酸素ボンベの携帯)を行うこともあります。
COPD患者さんは風邪などの呼吸器感染症に罹患した際、急速に症状が悪化したり呼吸不全に陥りしたりすることがあります。これをCOPDの急性増悪と言います。この場合はABC治療(A→Antibiotics;抗菌薬、B→β刺激薬;気管支拡張薬、C→Corticosteroids;ステロイド薬の内服・点滴)と呼ばれる治療を行います。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に呼吸が止まったり、呼吸が浅くなったりしている状態のことです。睡眠中に1時間あたり10秒以上の無呼吸、あるいは低呼吸状態が5回以上あると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。
原因は大きく分けて2つある
ひとつは、空気の通り道である気道が睡眠中に塞がれてしまうことで無呼吸状態になる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。気道が閉塞する原因としては、肥満による首回りの脂肪付着、扁桃腺やアデノイド肥大、舌や口蓋垂(のどちんこ)が大きい、先天的にあごが小さいなどが挙げられます。
もうひとつは中枢性睡眠無呼吸症候群(CSAS)と呼ばれるもので、脳の呼吸中枢からの呼吸命令が途絶えてしまうことで無呼吸となる状態です。原因としては、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)、心不全、腎不全などが挙げられますが、SAS患者さんの大半は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。
よく見られる症状は?
睡眠中に呼吸が止まる、あるいは息苦しそうにしている、大きないびきをかいている(閉塞性のみ)、何度も夜中に目が覚める、などがあります。このほかにも、起床時に頭痛がする、日中に強い眠気に見舞われる、集中力や記憶力が低下するといった症状も現れるようになります。SASを放置すると、全身の様々な臓器に負荷をかけ続けることになり、高血圧、脳血管障害、心筋梗塞などの発症リスクを上昇させます。
このような病気を予防するためにも、家族からいびきが大きい、あるいは呼吸が止まっていると指摘を受けた、日中に強い眠気に見舞われるといった場合は、一度当院をご受診ください。
診断と治療について
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が疑われる患者さんにつきましては、スクリーニング検査として、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素飽和度を測定することができる簡易装置を装着します。ご自宅で眠りにつく際に、装置のセンサーを装着するだけで測定いただけます。その結果より詳細な検査が必要と判断されれば、高次医療機関で一泊の検査入院(PSG)を行い、呼吸状態や血中酸素飽和度のほか、脳波や筋電図、脈拍数、いびきの音などを計測します。
PSGによる検査の結果、中等症以上のSASと診断された場合は、CPAP療法が行われます。CPAPは睡眠時に鼻マスク(あるいは鼻カテーテル)を装着し、気道内に圧を加えた空気を送り込むことで、気道の閉塞が解消されるようにする装置です。ただしCPAP療法は対症療法ですので、肥満がSASの原因であれば、生活習慣の見直しをして減量していただく必要があります。扁桃腺やアデノイド肥大、舌が大きいことによる気道閉塞であれば、手術療法も検討されます。
また軽度のSASと診断された方は、オリジナルのマウスピースを作成し、それを睡眠時に装着することがあります。
当院ではスクリーニングのための簡易検査を行うことができます。装置を取り寄せる必要がありますので、事前に検査予約が必要です。またSAS診断後のCPAP療法の管理も行っております。SASの症状に当てはまる方は、ぜひ一度当院までご相談ください。